最初の一杯まではハッピーなのに
灰を重ねるごとにヒステリー 琥珀色してる
美しい瓶ウイスキー アルコール度数41
どうしてこんなにも綺麗な液体 が人間を濁らせ壊してしまうの
だろう おだやかなじいちゃんを化け物
に変える つつましい暮らしに爆竹が鳴く
赤黒い顔から浴びせる罵声 割れわんだれ文句あるなら出て
いけ 母はひたすら子供の盾声殺し流した
小さな雨でも翌朝午前5時窓の外 聞こえる牛乳瓶が運ばれ擦れる
音
配達へと出かけるエンジン音
働き者のじいちゃんの軽トラの音 かけてく壊れてく離れてくそれ
でも家族だとしても家族苦しくも 痛くともそれでも家族
だった
親戚中が泣いてたじいちゃんの 葬式で俺も泣いてただけどどこか
で死んだからって全部チャラになる なんて思うなよなんて思ってる
自分が悲しかった注がれた愛情 忘れられない笑顔それと同様胸
に残る針雑言耳の奥のトラウマ 消えない残響未だ深く深く残る
家族の傷跡あの時家から逃げ出して いた父親は五重木前にして報い
を受けるパチンコに麻雀飲み会 三昧女遊びはなんの小屋子にも
ならず母親が出てく後悔を襲く 未だ取り返しがつかぬ懺悔が続く
心入れ替えてる必死で働いてるその姿 どこかじいちゃんに似てるかけてく壊れてく離れてくそれでも家族だとしても家族
苦しくも痛くともそれでも家族
家族だった儚くもかけてく壊れてく離れてくそれでも家族だとしても家族 苦しくも痛くともそれでも家族
家族だった
俺を抱きしめた姉ちゃん両親働き出る間留守番
卵焼き並べ昼ご飯バファリンの半分は優しさでできてる
それはいわゆる宣伝文句だけど腹いたの俺のため 薬局へ走る背中は全部全部優しさでできてた音楽で食っていくなんてあんたそれ正気なの
わかってるうちお金ないんだよ
あったかいあなたの冷めた言葉が半端だった俺の目の色を変えたんだ
現実見る目は姉ちゃん譲り涙もろいのは父ちゃん譲り たぶん酒が飲めないのはじいちゃんの祈り離れたとしても離れない
hook
痛くともそれでも家族
家族
家族だった
紡いでもすくろいきれずにほつれてく
それでも家族
だとしても家族
笑ってた、泣いてた、愛してた
ずっと
家族だった