夜明け前の 薄暗い道を
誰かがもう 走っている
拾った小石で 誰かが描いた
アスファルト道の スタートライン
寒い身体を 言い訳にしても
街は眠ってる 曇り空の朝に
自分の汗で 自分を温めて
寂しさ目指して 走る人がいる
今 私たちに 大切なものは
恋や夢を 語り合うことじゃなく
ひとりぼっちに なるための
スタートライン
雨が
降ってる
街の公園で
誰かがひとり
濡れている
待たせてばかりの
恋する人に
靴のかかとで
書いたピリオド
素直で
やつほど
傷ついてしまう
みんな上手に
ふざけて生きるのに
たったひとつの
別れのために
まっすぐ涙を
流す人がいる
今 私たちに
大切なものは
恋や夢を
語り合うことじゃなく
ひとりぼっちに
なるための
スタートライン
江ノ谷の
夜の河原の長い一本道を 誰かがまだ走っている
星を見上げて走り続ける 誰かが描いたスタートライン
向こうの岸辺はあんなに明るく 街の灯りが夜を焦がすのに
かすかな星の光を探して 闇を選んで走る人がいる
今私たちに必要なものは 光あふれる明るい場所
じゃなく 闇に向かって走り出すための スタートライン
光あふれる明るい場所