ひ
び割れた心 灯らぬ月の光
誰も気づかない 滲んだ瞼の裏
幽虫の寂しさ たぐり寄せて 淡く紡いだら
この身体に音が満ち煙る 夜明け前 まだくすぶる
痛みをただ抱きしめたままで ここにある私を歌うの
遥か黎明
運命のメビウスに揺られ
命はいつも花のように 雪のように舞う鮮明
確かなのは刻んだ今だけ
決意の芽が射抜くのは ただそこにある美しい真実
深紅の約束 過去と呼んでは赤いなで
誰かの残した 冷たさに足がすくんでも
私だけの痛みをもう置き去りはしない
愛おしい孤独を歌うの焦がれ
黎明
時計のアイロニに惑い命はいつも風のように 波のように叫ぶ鮮明
欲しいのは刺さるような今だけ憂いの芽が射抜くのは ただそこで待つ残酷な真実
か
くて放たれる時を
祈り待つ螺旋の眉
ここが最果て
眠りから覚めて今 脈打つ生命