あの夜がこの目に染み付いて離れない心ひとつ分け渡せないままでさよならの数だけ欠けていく景色が小さな背中を 身勝手に押すもう行かなくちゃ痛みに負けたくないから好きなもの一つ二つ少しずつつまんだ顔のない僕ら産声をあげた出来立ての目玉で君の顔を見たひどくひどく美しい眼差しだからふと引き抜ければと思った寂しさも嫌われ愛しさも気もたかられはくびひとつろくにできないけれど君だけの心を口開けてほしいのそれが君の憎み変わる頃ねえ涙だけ隠そうとするのはやめて心から泣いて 心から笑って君にさよならしないで好きなものは一つ二つ少しずつ願って片付く僕ら産声を上げた 出来たての目玉が僕の顔を見た風の間君と見つめ合った広く色く 美しい眼差しだから今行きたいと思った