じゃあ今日は最後にこの曲を
見覚えの
ある
レインコート
黄昏の駅で胸が震えた
早い足どり紛れもなく
昔愛してたあの人なのね
懐かしさの一歩手前で
思い上げる苦い思い出に
言葉がとっても
見つからないわ
あなたがいなくても
こうして元気で暮らして
いることを
さりげなく
告げたかったのに
帰ったものは
彼の眼差しと
私のこの髪
それぞれに待つ
人のもとへ
戻ってゆくのね
気づきもせずに
一つ隣の車両に乗り
うつむく横顔見ていたら
溢れてきそう
今になってあなたの気持ち
初めてわかるの
痛いほど
私だけ愛してたことも
ラッシュの人波に飲まれて
消えてゆく後ろ姿が
やけに悲しく
心に
残る
改札口を出る頃には
雨も止みかけたこの
街に
ありふれた夜がやってくる
やってくる