秋の光りに きらめきながら
秋の光に きらめきながら
指のすき間を 逃げてくさざ波
二人で行った 演奏会が
始まる前の 弦の響きのよう
月のかたちの ポートの上で
すてきな日々を 思い出にしたい
膝にひらいた 短編集も
風がめくって いつの間にかエピローグ
舞いだ終わるのを 確かめずに
ひとりここへ来て よかったの
オールも持たず ただよいながら
やさしい人に 手紙を書きたい
短いけれど 楽しかったと
強がりだけを 篠千葉に添えて
霧が水面を ゆっくり流れ
帰る岸辺を 追い隠すように
もうしばらくは 本当の愛を
見つけられずに 彷徨ってもいいの
愛が終わるのを 作ろうったら
明日を生きるのに 遅れたわ
オールも持たず ただよいながら
やさしい人に 手紙を書きたい
心の文字も 少し揺れてる
グレーの影と 私だけの10月
グレーの影と 私だけの10月
グレーの影と 私だけの10月