酒を海神に捧げる ごつい手は
波よ
波よ枕によ 生きる男の 男の証よ
風さえも
友として
生んでる 原波
日本海
春が咲き
波の谷間に突き進む 船は
親父船
かなる
海は母に似て
優しい
ゆりかごか
夢を
夢を両肩によ
託し 網を
網を巻き上げる
お袋の お守りが
濡れて
晒しに 絡みつく まだ若い
あなたれ息子が 操る 船は
親父船
大量の
旗をひるがえし
向かうは
母港
船の 船のへさきによ
座る 親父の
親父の背中よ
空青く
晴れ
晴れと
金波
銀波の 日本海
冷酒を
ぐっと飲み干し 突き進む 船は
親父船
