月明かりかと思ってみれば
変わる間際の黄色い信号
やたらと長い赤信号に変われば
決まって
僕らキスをするんだ
君はいつも左側を歩き
僕のポケットに小さな手を入れる
こうして触れる
指先のぬくもりだけ
それだけで
僕らは繋がってるわけじゃない
僕らを
繋いでいるもの
君が笑うから
僕も笑ったね
今年もあの花
が咲
いたねと
君が言う
今君の家に向かう
途中
ガソリンスタンドの交差点は
行き交う車の音で溢れて
僕らの会話がかき消されてしまわぬよう
自然と
僕らもっともっと近づいた
僕らを
繋いでいるもの
僕の鼻歌が君に映ったね
ほど今日の上に月が見えるよと
僕が言う幼い僕らのこの恋を
照らしてよ
もう多分この街灯のようにただ
弱々しく頼りない
光の下に
暗い手
暗い手
暗い手
暗い手
君が言う今は頷く
しかできなくて
僕らを
繋いでいるもの
塞ぐようにキスをするんだね
揺れる雲に月が隠れてしまう前に
帰ろう
今君の家に向かう
途中
