二人並んで歩くと
僕の影に隠れる
だけど僕の影の形は
あなたに
そくりだ
一番近くて
一番長く
一番愛してくれた人
本当は離れたくないのに
もうこれが最後かな
聞き飽きた口癖も
何
気ない世間話も
帰ったら優しいお帰
りも
この世界は嘘みたいに
いつもと同じ暮らしに戻る
あなたのいない日々さえ
いつの日か
馴染んで
いつの日か当たり前になってしまうのかな
嫌な
ことが
あった
心配
させたくないから
無理して笑顔をつくってても
いつに見透かされたね
気がつけば至る所が
あなたの色に染まっていて
笑えるくらい
僕は
出来ていたと思い知るんだ
駅から遠ざかってゆくすり革が手を振るよ
揺れている幼かった僕をさ
あの街に置いておこう
あなたと
約束した夢
あなたに見せたかった景色も
時計の奥見えたまま
未来へと歩いてゆく一歩ずつ
歩いてゆく
二つで
一つの影