あなたがそっと 右手を出して
雨に濡れた 私の髪を うまく 左に 溶かしてくれた
ほんの私の 髪の癖まで あなたは 覚えてくれたのですか
あなたは とても 気がつく人だったけど 気づいてほしいものは ほかにあった
*・* 山口 真 *・* 山口 真
突然 雨が ふりだした街を あの頃 いつもさ したように ふたり
肩を 寄せて歩いた ほんのひとふりの雨と たったひとつの傘は 最後のドラマを作ってくれたのに
肩にまわした あなたの手には あの頃のぬくもりは もうなかった
*・* 山口 真 *・* 山口 真
空が 茜色に 燃え尽きて そして つかの間の雨も 上がってしまった
ビルの谷間に 沈む夕日を見て 悲しいと思うのは 私だけでしょうか
*・* 山口 真 * 山口 真