ふみきりのそばに咲く
コスモスの花揺らして
貨物列車が走りすぎる
そして夕日に消えてゆく
十四の頃の僕はいつも
冷たいレールに耳をあて
レールの響き聞きながら
遥かな旅路を夢見てたの
思えば遠くできたもんだ
故郷を離れて10年目
思えば遠くできたもんだ
この先どこまで行くのやら
所謂の恋の旅
自分跡の流れに
小胸すりする人の影
川面に淡く浮かんでた
風が吹くたび揺れていた
二十歳になったばかりの僕は 別れた女を責めながら
いっそ死のうと泣いていた 恋は一度と信じてた
思えば遠くへ来たもんだ 今では女房ほど心地
思えば遠くへ来たもんだ あの人を恋しく思い出す
思えば遠くへ来たもんだ あの人を恋しく思い出す
眠れぬ夜に酒を飲み 予備車の起点に聞くたびに
眠れぬ夜に酒を飲み 予備車の起点に聞くたびに
僕の耳に遠く近く レールの響きが過ぎてゆく
思えば遠くへ来たもんだ 振り向くたびに故郷は
思えば遠くへ来たもんだ
思えば遠くへ来たもんだ 振り向くたびに故郷は
遠くなるような気がします
思えば遠くへ来たもんだ ここまで独りで来たけれど
思えば遠くへ来たもんだ この先どこまで行くのやら
思えば遠くへ来たもんだ ここまで独りで来たけれど
ずいぶん久しぶりに昨日家に帰ったわけでございまして
一家断乱というわけにはお客さんが多くてできなかったわけでございますけれども
やっぱりちょっとほっとすることは事実です
それとやっぱり自分の家をしみじみ眺めてみると
なんとなく全てこれからの自分が見えてくるといいますか
私のうちに小さい8畳ぐらいのお客さんを接待する部屋がありまして
すぐ反対側でタバコを売っているわけでございますが
その一番奥手の方が6畳一間の
私の勉強部屋でございまして
今親父が寝ているみたいでございますが
まだ私が青年の頃に読んでおりました本家なんかも
ちゃんとそのまま置いてありまして
本棚なんか眺めておりますと
自分の高校時代中学時代が色鮮やかに蘇ってくるわけでございます
この間帰ってきたときにちょっと面白い
面白いって言ったらなんでございますが
事件がありまして
お袋にねちょっとまとまった金を渡したの
小さい頃から私あんまり
可愛がられずに
大きくなった子でございましてね
5人も兄弟おるもんで
もう親父もお袋も生活のために必死だったんすな
だからあんまり頭撫でてもらったって思い出がないです
一番生々しい記憶としては
七五三一人に行ったとか
そういう思い出ありますよ
一人で七五三に行ったんすな
親父もお袋も連れてってくれんから
それから四つの時はもう自分で
おしめ変えたりなんかしておりましたもんね
お、ちょっとしめってきたなぁとか言いながら
という風にまたいでこうやったりなんかいたしまして
それぐらい割と独立心に長けた子だったんでございます
で
あの高校とか中学小学大学まで行かしてもらいましたけど
非常に厳しいうちのお袋の言い方はね
私は福岡教育大学っていうところに行ったんでございますが
これは本当は私立行きたかったんでます
東京の方のね
お袋がもう全然ダメ
私立行く?ダメ!金ない!金ない!って言ってございますね
そういう人でございまして
そういう感じで彼、彼女からこう進路を決められたわけでございます
でいつもやっぱり割と苦労しておりましたから
でこないだちょっとね長いこと苦労かけたと思ってまとまった金渡した
びっくりいたしましたけどね
あの本当にあの武田育さんが私の母が
八王の方の部屋にベタッと座り込みましてね
金を高々とかざしまして
どうもありがとうございます
今後ともよろしくお願い致しますって言うのがあってね
あんまり他人行儀な言い方なのでちょっとこっち側があってましてね
母ちゃんそんな別にその深々と頭下げることもねえじゃないかって
親子じゃない?親子じゃないですか?
だからそんな別に当たり前の顔して受け取りなさいよ
あんまり向こうの態度が冷たかったのでこっち側があって
そうお袋に言いましたらお袋はきっぱり言いましたですね
子供が親に金をやるようになった瞬間から親子の縁は切れるって言うんですね
親子の関係というのは親が子供を養っているときは親子関係があるけど
子供が稼ぎ始めて親に金をくれ始めたら
それでぷっつり親子の縁は切れるって言うんですね
で残された道はあとこの城にすがって
どれだけ長生きするかそれしかないって言うんですね
笑
まあ金で苦労した人だから
いつの間にか身につけたんでしょうな
何気なく親父にまたちょっと体壊しとるもんで思いますが
1万円お前もでも食いなさいと1万円小遣いをあげましたら
親父は男でございます
お、すまんねえって言いながら
こうパッと取ろうとした
そしたらお袋がベターっとその親父の尻を叩きましてね
知らん人からお金もらえようとよれえぐらい言わんねえ
って言ってもらうんですね
そしたらあの横着だった親父がピタッと座り込んで
どうもすいませんね今後ともよろしくお願いいたします
まあちょっとねおかしな一族かもしれませんし
昔な家族かもしれませんが
なんとなくそういう我が家のこと好きでございます
他人行儀でねなんとなく好きなんでございます
6畳の部屋に相変わらず本が
私の昔読んだ本がいっぱい置いてあるんでございますが
中でも龍馬が行くという本を見ますと
はっといたしますね
この部屋で坂本龍馬の物語を読んで
ほら東京に出てきっといつか大物になってやる
そう決心した初めての部屋なんでね
その坂本龍馬の歌を歌います
恋に悩んだり
だからちょっとね勉強に追われて生き方がわからなくなったり
それから
それから人生に迷ったりなんかした時に
坂本龍馬あなたに向かってなんというか
そんなことを考えて作った歌です
遥かなる人
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