夏の立ちゆらめく陽炎の中
風で三つになるこの手を引き
海へ行こうと思います
もうすぐ九月の風だから
胸いっぱいに吸い込めば
秋の香りもしてきます
三つになる子に麦わら帽子
買ってかぶせてやったらなんだか
海を見せてやりたくなったのです
雲さえ揺れる陽炎の中
とても短い夢を見ました
親父の背中で初めて海を
見つめていたのは七つの時で
海の広さに驚いていた
そして七つの僕が振り向くと
娘を抱いた僕がいる
流れる月日は不思議なものです
まして夏の立ちゆらめく陽炎の中
繰り返す繰り返す
季節の中で
繰り返す繰り返す
暮らしの中で
一人で駆けてくる三つになる子が
驚いたように足を止めて
そっと私に教えてくれた
三つになる子の指さす方に
芙蓉の花が咲いている
白くくっきり芙蓉の花が
パパお花咲いてるね
と話してくれるその子に向かい
雲さえ揺れる陽炎の中で
花が咲いてるね
繰り返す繰り返す
ただそれだけのこと
使い慣れない言葉ですが
幸せというやつは
繰り返す言葉の中から
姿を表すものでしょう
パパお花咲いてるね
美しい言葉だと私は聞いている
美しい花だと
三つになる子が
見つめている
夏の立ちゆらめく
陽蓉の中
繰り返す繰り返す
暮らしの中
繰り返す繰り返す
季節の中で
季節の中で
恋がされてくれるようになっている
私達が命を救うために
勜 научの中で
教えてくれる人で
愛を共有��になっていく
ご視聴ありがとうございました