古い写真
真に
残された
若いあなたと
小さな私
無邪気に笑う
その肩を
そっと支える大きな手
花を倒れば
花の名を
空が陰れば雲の名を
涙流せば
その訳を 優しく聞いてくれた人
母が小さな手を引いて
歩いた
知らぬこの道に
いつか
小さな花が咲いたら
今度は
私が
その手を引いて
人
なし陽だまりを 二
人で歩こう
寂しがり屋の
元本の
一歩だけ似たよと
うつむき笑う
横顔が
少し小さく
見えた春
泣いた数だけ
優しさを
胸に刻んで
生きてゆく
誰も知らない
傷の跡
心に咲かす
冬の花
母が
小さな手を引いて
歩いた
知らぬ
この道にいつか
小さな花が咲いたら
今度は
私が
その手を引いて
あの日と
同じ陽だまりを
二人で歩こう