花飾りが似合うよ 若い母親だね
手を伸ばせば八つ畑 空が高いね
子供連れの旅では 相応しくないけど
一つ部屋で五年目の 遅いハネムーン
君は野菊を 紙に刺して笑ってる
手を振って答えれば 君ははにかんで 少女のよう
ぶつかるように抱き合った
初めてのお互い
あの夏 あの日から
二人で歩いてきたんだね
いつの間にか 季節は変わっていたね
忙しいと言いながら 君を忘れていたね
気がつけば高原は 夕べの風
寒そうな 夜の風
細い肩 そっと抱き寄せる
歩き始めた 子供の手を引く君を
後ろから見守れば あの山にも似て
僕は父親
教会の鐘が鳴る 僕らのためだね
なだらかな裾野が やさしい秋だね
歩き始めた 子供の手を引く君を
歩き始めた 子供の手を引く君を
後ろから見守れば あの山にも似て
僕は父親
明日からは 町暮らし
また始まる
八ヶ岳は もうすぐ初雪なんだね
歩き始めた 子供の手を引く君を