ある朝俺は虫になっていた
こんな話をあんた知ってるか
遥か昔に呼んだ霧だから
俺の記憶も曖昧なんだが
人間らしく生きて気がしない
ここの暮らしもそんな気分だろう
秋林の底を這いずり回り
酒を舐めているハエ見ていたぜ
羽
なんかないけど
虫けらは歌う
この街は林の底
わっちまえ
ブーブー
ブラハ生まれの小説家だって
酔いも回ればどうでもよくなる
変身なんて皮肉なもんだよ
くも悪くも変わりやしねーさー
暗くじめじめとしけた路地裏
そこにうんちゃうんちゃと群がる影は
まるでゴミ虫だぜ
虫けらは歌う
この街は日陰だけ
a いやー
あの子のせいに風
地固に残された愛想しかしよう
毒が聞いてきたねー
虫けらは歌う
この街は虫の息
虫けらは歌う
この俺は虫の息