いつの間にか降り出した雨の音を
急ぎ足で
行く季節の終わりを告げている
不意に窓を閉じかけた手が止まる
しばらくは
君のこと思い出さずにいたのに
些細な
ことからの諌めいはいつも
二人の明日を曇らせた今なら
あの夜を越えられるかな
君の涙に答えられるかな
胸を苦しくて張り裂けるほど全部君だった
互いの拭いきれない寂しさを
冷めた朝の光の中で
うやむやにしてきた心にも
ない裏腹な言葉で
わざと
二人は傷つけあったね今なら上手に伝えられるかな
いつも微笑みに答えたかった胸も
切なくてかきむしるほど
全て君だった
時は静かにかけがえのないものを遠ざかっていくほど
鮮やかに映し出すどんな
にやるせない気持ちでも
どんなに明日が見えなくても
温もりだけを頼りにしていた
やがて雨音は途切れ始めて
街がにわかに動き始める
雲がゆっくり滑り始めて部屋は
明るさを取り戻してく
風が
優しく頬を撫でていく
全部君だった
雨も雲も街も風も窓も光も
全部君だった
冷めた朝の祈りも微笑みも涙も
全部君だった
全部君だった