斬雪残る
北の水 海で
定めみたいに
出逢った君よ
星の降るような 後半の宿で
命燃やした
恋花火
青き水面に
微笑み揺れる
ああ
戸立の
人よ
紫煙る
水の黄昏は
淋し
すぎると
この手で泣いた
年も名前も
知らないけれど
訳もありそうな
あのお指輪
時は過ぎても
忘れはしない
ああ
戸立の
人よ
再
び逢えぬ
君の幸せを
一人祈ろう
乙女の像に
いつか二人で 暮らせたならば
どんな
言葉も
遠い夢
雲の彼方に
面影浮かぶ
ああ
戸立の
人よ